本日の記事は、こんな方に届けば幸いです。
- 現場と役職陣の間で仕事のクオリティや個々の熱量に対する認識に温度感の差が生じている
- 評価軸やお仕事に関する考え方が、人によって異なっており一致団結が困難
- 現場で働くスタッフ達が日々の業務に、頑張る意味を見いだせない
→そして、本日のタイトルにもあるMVVが何なのか、なぜ組織に必要なのかを、僭越ながら弊社というモデルケースを添えてご説明します。
MVVとは経営理念の基本形
昔と比べて、理念を軸にする経営「理念経営」の大切さが見直されるようになりました。弊社も例外ではなく、会社概要のページでも堂々と理念を打ち出しています。
なぜ経営理念が必要なのか?
それは・・・
経営目線で言うと経営陣と現場でのギャップを埋める為。
働く人の目線でいうと、なぜ頑張るのかの意義を見出す為。
その為には「共感できません」と言われるものをスローガンに掲げていても仕方がないんです。
共感を生む為には、共感性のある考え方や目的地が必要です。
目的地を一致させることの大切さ
会社は、よく乗り物に例えられます。乗り物は乗る人の行きたい所が一致しているから意味があるのであって、乗るところが無いからといって適当な乗り物を見つけては乗っていけません。そして運営側は適当な運転をしてもいけません。もしも東京に向かっている船があるんだとして、しばらく進んだあとで「実は福岡に行きたいんです」と言われたら、下図のようになります。
冗談みたいに見えるかもしれませんが、社会では実にこういったことがよく起こるのです。
共感性のある考え方をどう打ち出すのか?
では、共感性のある考え方ってどうやって打ち出したら良いのでしょうか?
これはあくまで私の考え方ですが「経営者が命を投げ売ってでも達成したいこと」を目的地にしていないと共感してもらうことは中々に難しいです。
そして、ふわっとしているだけでもいけません。
例えば
世界を平和にしたいよね、ほら皆一緒にがんばろう
と言われても、正直困りますよね。「え、で?それで何したらいいの」って感じだと思います。
これが・・・
自分と同じ想いをしてきた人が、ちょっとでも幸せになれる未来を作りたい!
◯◯を通じて、お客様にこの便利さをもっと知っていってほしいんだ!
だと、どうでしょう。生い立ちもからめて話せば、共感してくれる人もいるかもしれません。
自分たちの頑張りがどんなふうに社会に役立つのかも少しずつ輪郭が見えてきはじめる人も居るんじゃないでしょうか。
そして
仕事をやるにあたって◯◯はあってはならない事です。せっかくやるなら誠意を持って、顧客や提携業者たちとこう向き合っていきたい!
これはもっと具体的ですね。うんうんと頷く人も増えるでしょうし、現場でやっていることや手法にも随分と結びつけてイメージがしやすくなるでしょう。
日本人はしばしば手法ばかりに覚れてしまいがちですが、実際は抽象的なことを具体的に噛み砕いて、具体的なことをまた抽象的にして・・・何度も何度も固まりを作っては分解して、また組み合わせて固まりにする・・・その繰り返しのプロセスをするから理念はどんどん研磨されていきます。
発信者は、頭にも身体にも汗を流すこと
頭にも身体にも汗を流していると真剣度や熱意も伝わるはずです。言葉にも、言葉以外にもひしひしと感じるものがあるからです。
逆にコレを怠ってしまうと、その経営理念は応接室とか社長室の額縁に飾られてほこりを被っているだけの存在となってしまうでしょう。当然、誰も覚えてくれません。
そして目的に対して現在地が近づいていないのなら、どれだけ素晴らしいスローガンを抱えていても子供だましにすぎませんので、降りることの出来る人から降りていきます。
それでも組織経営が成り立っている間は良いのですが現実問題、やはり現場と役職陣の物の考え方にはミゾが生まれますし、それが離職にも繋がりかねません。
もしMVVをきっちり策定しないままやらされ仕事をしていて、その人が自分のことしか考えておらず部下に当たり散らしてばかりいるんだとしたら、そんな組織に人が集まって維持発展していくと思いますか?思いませんよね。
逆に、情熱があって一生懸命にやっている人であればもし理不尽なことを言ってしまっても後から謝ったり、ちゃんと伝わったのかを確認してくれたり、より良い未来を築けるように何度でもすり合わせをするものです。多少の理不尽も、真剣にやっているからこそ出る怒りなんだなと理解してもらえます。
ちょっと以下の画像を見てください。どっちが良い会社ですか。とうぜん2枚目でしょう。
組織としては、せっかくご縁があって雇用したスタッフが損益分岐点(マネタイズポイント)を超える前に退職されることも大きなロスです。働き手としても、たいしたキャリアや実績を伴わない職歴が増えてしまう訳ですから履歴書に傷がつきます。MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定には、これを未然に防ぐ効果もあるのです。
ということで、弊社の場合に当てはめて考えてみました。
M(ミッション)
~社会における使命。その組織がなぜあるのか?~
私たちは、「共存共栄」するすべての皆様の夢の実現に向けて進化し続けます。
→社名の由来である「共存共栄」は共栄美装の原点です。社員、お客様、取引先、社会共に支えあいながら、私たちはイベント、もの創りを通して未来へ発展し続けます。
V(ビジョン)
~企業が目指す未来~
- 「プロフェッショナル」としてお客様の想像する120パーセントを提供します。
- 社員一人一人の夢を描き続けることの出来る会社であり続けます。
- 良き企業市民となり、社会との「共存共栄」に努めます。
私は、これこそビジョンだと考えています。今も昔もこれからも。一貫して、どうあり続けていきたいのか。この3つの経営理念に詰まっています。
V(バリュー)
~社員が必ず持っておくべき価値観や行動基準~
これは、ハッキリと弊社の行動指針として会社概要に掲載されており、バリューと符号します。
私たちはこのような姿勢で社会や目の前の業務に対して取り組んでいます。
仕事を楽しむ。
「楽しさの中から良いアイデアがうまれる」
向上心を持ち続ける。
「常に行動に目的・目標をつくる」
思いやりを持つ。
「相手の気持ちになって考える」
自分で考え行動する。
「できない理由を考える前に、 先ずは人に頼らずに自分で考え、自分でやってみる」
ベクトルを合わせる。
「目標を共有化し、チームワークで高い目標を達成できる」
最後まであきらめない。
「あきらめる事は簡単で、人は困難を乗り切ることで成長する」
まとめ
本日はいつもブログを見てくださっている方や、これから入社をお考えの方々向けに理念経営の重要性やその基本形であるMVVを、弊社に当てはめてご紹介することでお届けしました。
弊社の理念は社名に由来するシンプルなものです。行動指針も、プロフェッショナルとして当たり前(だけど厳しいことでもある)のことを書いているので、一般の方も飲み込みやすいと思います。
移ろいゆく世相の中で弊社は力強くも柔軟に、半世紀間多くの困難を乗り越えてきました。共存共栄は、その中で磨き続けてきた王道の考えでもあります。もし皆様の参考になっていれば嬉しいです!
編集後記
一ヶ月ほど前、共栄美装のVI(ビジュアル・アイデンティティ(視覚の統一))についてお話しました。前回はデザインやカラーの側面が強かったので、今回は言葉の意味や会社の方向性について改めて思考整理&発信をする記事とさせていただきました。