開いていただき、ありがとうございます。
・・・安心してください、何も取りませんから(笑)
それどころか「ちょっと嫌だな…」といった感情がありつつも勇気を出して開いて下さったことと思いますので、本日はなぜ「どうなった?」と聞かれてはいけないのかを分解してお話していきますね。
「どうなった?」は、それを聞いた人が主導権を握る言葉
私たちには小さい頃から「どうなった?」と言ってくれる人がいました。
- 宿題があったはずだけど、どうなった?
- 片付けをすると言っていたけど、どうなった?
- ペットの餌を買いに行くと言っていたけど、どうなった?
- ちゃんとお風呂は入ったのか?歯磨きは?パジャマにいつ着替えるの?
多くの場合は親や先生。社会人になってからは上司や部長、社長・・・といった具合に、基本的には自分より立場が上の人が使う言葉です。
なぜ「嫌だな」と感じるのか?
進捗確認とは、作業の進み具合です。
出来たか出来ていないか。
出来ていないなら、何%くらい進んでいるのか?
完了する見通しはいつ頃なのか?
聞かれる人は、言わなければいけないのです。
自分でやってることなんだから放っておいてくれよ!
聞かれたことでやる気をなくした・・・
そんな事はわかってる。忙しくて、今それどころじゃないんだ!
こんな風に思ったり、言っちゃった人も、もしかしたらいるかもしれませんね。放っておいて欲しいけど、目上の人は場を預かっている者として、そういう訳にはいかないのです。
これ、問題が小さいうちは・・・例えば子供が服を着替えなかったり学校に1日や2日遅刻するくらいなら、なんてことありません。でも仕事で大事なアポイントがある状況だったらどうでしょうか?
進捗状況がわかる場合とわからない場合の差
部下が打ち合わせに使う資料が作れていなかったり、遅刻をしてきて、どこに居て何分に到着するか分からなかった場合は上司がその尻拭いをしなければいけません。
仮に1~5工程までは終わっていて、残り5工程を進めるだけだとハッキリ分かっているなら、5のエネルギーを投じてその場をなんとか凌ぐことが出来るだろう、という見積もりができます。
ですが、どこまで終わっているのか見えないが全くのブラックボックスだったら、1~10工程まで全部やるしかないのか、それともあと1押しで出来るのかがわかりません。
・・・結果、1~10工程まで全部やるしかない場合を想定して動かなければいけません。最悪の場合、フォローしきれるのかそうでないのかも分からない。こんな状況になったらパニックになりますよね。
これが、実際は1~9工程まで終わっていて報告できていないだけだったら、それと同じ9工程ぶん、ロスになります。
資料づくりだったら作業時間のロスになりますし、商談や会議だったら場を繋がなければいけません。それがどれくらいになりそうなのかをマネジメントしなければいけないから、目上の人は不機嫌を顕にして怒るのです。
言われないようにするには?
マネジメント側の人間には「そろそろ聞かなきゃマズいんじゃないかな」と思うタイミングがあります。痺れを切らすといってもいいでしょう。
1.細かな報告をする
王道ですが、聞かれる前に「細かな報告をする」のが大切です。現在地を見える化しておくと、上司もマネジメントがしやすいでしょう。
ですがそれだけだと不十分です。
なぜなら、物事は1~10までのシンプルな作業工程では出来ていないからです。仕事が高度なものになっていけばいくほど再現性の低い不定形業務を任されることになっていき、こうなると「決める」ということが難しくなっていきます。
先ほどの「資料作り」で当てはめて考えるなら、おそらく完成させるにあたって
「調べたらわかること」
「どう調べたらいいかわからないから上司に相談しなきゃならないこと」
の2つがあるでしょう。前者はすぐわかります。でも後者は分からない事です。
2.期待値を調整する
分からないものを「どうなった?」「いつまでにやるのそれ?」と聞かれても無理な話です。これを無理に「◯月◯日までに仕上げます!」と言ってしまう(言わされてしまう事もあります)と、それは適切な期待値ではありません。
出来ないことを、あたかも出来るかのように格好をつけてしまっているのです。
「お、こいつ分かるのか。じゃあ任せておこう」
こう思われたあと、わからないからといって後回しにしてしまったら・・・そりゃ大目玉を喰らいますよね。ということで期待値と日程を調整すると、こんな感じの言い方になるなと思ったものをこちらに書いてみます。
□□さん、ちょっと良いですか?
会議資料の件ですが、◯月◯日までに1~4の工程については完了すると思います。
ですが私は5~7工程については詳しく把握しておらず不安があります。
可能でしたら、✕月✕日の昼間から夕方のどこかの時間帯で□□さんの時間を頂戴したいのですがご都合はいかがでしょうか?
自分に対する見積もりを誤らず、ロスも生まない円滑なコミュニケーションが取れるように心掛けていけば段々と「どうなった」と聞かれる頻度も減りますし、聞かれたとしてもアワアワせずに的確な切り返しができるようになっていくでしょう。
期待値が下がると、あれもこれもどれもそれも聞かれる。さらに…
さて、ちょっとここから怖いお話をしますね。
タスクが間に合わず、やりますと言ったはいいものの継続できず、上司からの期待値が下がってしまった人はどんな運命を辿るでしょうか。
まず不信感が大きくなっているわけですから「あれどうなった?」「これどうなった?」と口酸っぱく言われてその対応に追われます。
対応に追われる。それは受け身の状態だということです。主体者とは真逆の存在といっていいでしょう。
本当は主体者で居たい。色んなことの主導権を握っていて、人の期待に120%答えられるカッコイイ自分で居たい。
でも現実はそうさせてくれないし、期待値が下げられてしまっていることがわかる。自分には主体者に値する力がないという評価を下されている。
だから「言われたらやる気をなくす」現象が発生するのです。
あまりこの状態が長く続くと、その人は自分から新しく何かをやろうと思わなくなってしまいます。これは上司側も気をつけなきゃいけないことですね。
何より、受け身のままでいると自分が主導権を握っている領域がどんどん狭まってしまうので最終的には何も任せられない人になるという最悪の結末が待っています。
仕事はライバルにどんどん取り上げられ、窓際族になり厄介者扱い・・・社会人としての寿命はそう遠くないでしょう。
その未来がなんとなくチラついて見えるから「どうなった?」って言葉は怖いし、本能的に嫌だなと思うのではないでしょうか。
求職者の皆様へ
私共は求職者の皆様からのエントリーを受け付けており、面談のためにスケジュール合わせをすることがあります。ところが、投げたボールが帰ってこない・・・または遅いと感じることがあります。
これも「どうなった?」と聞かれるポイントの1つであり、実はその時点から面接は始まっています。皆様にとっては、ライバルとの競争でもありますね。
「どうなった?」と確認されてばかりいる人と
「この人返信早いなあ!」と言われる人。
内定を取れるのは果たしてどちらでしょうか?
就職活動も転職活動も、人生をかけてやる事のはずです。であれば、いい加減そうな印象を与えて良いことなんて1つもありません。
ちょっとしたことでモノにできるチャンスを、見逃さないでください。
そして、なるなら「どうなった?」と人に聞く側の社会人になりましょう。
できれば、この記事を読んで下さった求職者の皆様と共に目指すことが出来れば幸いです。