さて、今日はちょっとブラックなお話をしましょうか。
求人媒体に目を通していて時々見かける「初心者歓迎」「未経験者歓迎」という文字に、ふと疑問が浮かんだのです。
なぜ経験者歓迎って書かないの?
普通に考えて即戦力に最も近いのは経験者です。即戦力ということは損益分岐点が訪れるのが早く、会社からしたら「早く元が取れる」わけです。だから時々「経験者優遇」という求人も見かけるのですが、初心者歓迎、未経験者歓迎という求人のほうがよく目につきます。内容を見ているとある違和感が出てくるんですよね。
例えば・・・
- 拘束時間に対して賃金が著しく安い
(逆に、不自然にかさ増しされてるパターンも) - 年がら年中、求人を出している
- やりがいがある仕事である事を誇張しすぎている
- 平均勤続年数が短く離職率が高い
- 社内行事や社員の誕生会を祝っていたり、アットホームな会社ですとやたら書いてる一方で、業務の実態が見えてこない
・・・などなど。
まあ、もう違和感というかほぼ確信してる事をぶっちゃけてしまいますと・・・。
めっちゃ辞めるからめっちゃ雇わなきゃいけないんでしょう
求人票でだけ良い顔をしておいて、入社までの難易度も接待ゴルフのようにハードルを低く設定してる訳です。そうすれば間口は広まりますからね。
で、採用フローは実質通過儀礼にしておいて、入社したら管理体制も人材育成のやり方も杜撰で乱暴で不衛生で、怒号が飛び交ったり、摩擦だらけ。そんな所で生産性が上がるはずもなく、皆さん、(自分が)壊される前に去ろうと思って会社を後にしていくんでしょう。
でも、こんな会社だったら大丈夫!
例えば・・・
- 研修制度がしっかり充実している
- ハードルが低く、初心者でも始めやすい
- 業績が好調で、案件に対して新しく人手が欲しい!
「ばんばん応募来てください!」といって迎え入れられるような体制がしっかり整っている組織だったら経験者歓迎って言っていいと思います。
こういった環境に参加してもらう目的であれば、正々堂々と初心者歓迎って名乗っていいと思うんです。現に、私たちも初心者歓迎って名乗ってます。
研修制度が充実していれば、集客手法も強化しましたので実は2021年度はコロナ流行前よりも売上UPしてるんです。
ちなみにお尋ねします。こんな所で働きたいですか?
あなたは営業マンだったとします。先輩から案件を引き継いでもらえるようなこともなく100%飛び込み営業で稼がなければいけません。
で、目の前にテナントビルがあったとして、そこには100件の会社さんがあって、1件1件、ドアをコンコンとノックして「初めまして」と挨拶していきます。
商談に漕ぎ着けて、決済権を持つ人と膝を突き合わせて案件決定をさせられる確率ってどれくらいでしょうか?
ものすごく低い確率だという事が分かりますよね。この確率が低ければ低いほど、社会人として生き残れる確率も低いんです。
すると何が起こるか分かりますか?
その企業は、ごく少数の「出来るひと」を除いて、大概の人は社内で居場所を失って会社を去るでしょう。従業員が結果が出せないのであれば、企業は生き残るためにすることをするものです。まるで人柱です。
結果を出せる仕組み(販売手法やフック商材など)が無い限り、リソースが潤沢にあるわけじゃありませんから、従業員に還元できるものも少なくなるわけです。
ちなみにこれ、実話です。私はそういうとこで働いてました。
大切なのは「自分の足に合った道を歩けているか」ということ。
飛び込み営業とWEB集客。利点とデメリットはそれぞれ違います。マッチする人も。
上記では「こんな所」と書いてしまいましたが、例えば自分の足とコネクションでお客様を発掘し、がんがん高単価案件を獲得できる人には飛び込み営業が合っているでしょう。
逆に、1件1件はじめましてから始まる商売を非効率に思うのであればWEB集客で反響営業というやり方が合っています。
もし、自分の足に合わない道を選択したら、当然バランスを崩して倒れてしまいます。倒れるだけなら起き上がればいい話ですが、取り返しのつかない怪我や病気をしたらその怪我をその人は一生引きずらなければいけません。
ただ、今回の記事を通して言いたかったこととしましては
いい顔をするのは結構ですが、組織の内情を知っていても正々堂々と「初心者歓迎です!」って胸を張って言えますか。
ということです。挑戦的に見えてしまってたら申し訳ありません。
私の想いとしましては、人を巻き込むんだったらその人の人生を預かる覚悟で仕組みづくりをやらなければいけないだろう。ということです。どのみち結果を出せなければその企業も人にも未来はありません。ましてや高収入の経験者優遇求人なんて出せないでしょうね。その事について真摯に向き合うべきです。
私たちがWEBサイトをリニューアルして、既存のやり方に加えて反響営業ができるようにしたのは、組織を、人をこれからも共存共栄という理念のもと維持発展させていきたいからです。
僭越ながら十数年の社会人経験から、雇用のミスマッチが繰り返されてる組織がその後どうなっていったのかを知っているからこそ、弊社もまだまだ完璧な組織ではないからこそ、自戒も込めて書かせていただきました。