広報部1号は、時々「内定がなかなか貰えない」「面接時に有効的な言葉はありませんか?」といった面接の相談を受けることがあります。
実践さながらのロールプレイングも行って、気付いたことをよくフィードバックするのですが、その中で実によく起きるのが
「話しすぎてしまう」
という現象です。
話し上手は聞き上手、言葉多きは品少なし。
こういった諺が昔からありますが、それが上手く実践出来ない人はかなりの数いらっしゃるのが現状です。そこで今回は、会話のキャッチボールでボールを投げすぎてしまう人へ向けて、原因と解決策をブログにてお届けします。
質問には、テーマと意図がある
仮に面接官から「あなたの長所は何ですか?」と聞かれたとすれば、それがその話のテーマです。
テーマには「意図」があります。
長所であれば、面接官は応募者の長所をどんな風に当て込むか?が知りたいし、短所であればどうリスクヘッジしていくのかを知りたいはずです。
その解が得られればゴールですし、逆に得られなければ質問を変えたり、浅い質問から深い質問へ掘り下げることでトークを深めることもあるでしょう。
ここで応募者の口数が多すぎると、それだけ沢山の寄り道をしてしまうという事ですから意図がおざなりになってしまいます。
なぜ口数が増えてしまうのか?
口数が増えてしまう応募者の頭の中では、おそらくこういった事が起きています。
- そのテーマについて話したいことが多く、出来るだけ沢山詰め込もうとしている
- そのテーマについて理解が浅く、準備不足なのでまとまっていない考えを口に出して垂れ流しにしてしまっている。
- 浅い回答をしてガッカリさせたくない。高い評価が欲しい
- 沈黙されてしまうことが怖く、追加でどんどん話をしてしまう
- 自分が発言権を持って場を制していないと、安心ができない
→これらの要因が重なって、相手(聞き手)の許容量を越えてしまうほどの話のボリュームになってしまいます。そのつもりはなくても、相手よりも自分を優先してしまっているのです。
そうなる背景には、功名心や不安が潜んでいます。特に項目2以外はよく当てはまっているでしょう。
ベストを尽くす為にこの2つは必要なことですが、上手にコントロール出来ないとせっかくお互い時間を作って面談をしているのに、空回りに終わってしまいかねません。
相手が相槌しか打たなくなり「早く終わらないかな」って顔をし始めたら、温度感を上げるどころかむしろ凍りついてしまっているので、情勢はかなり悪いです。早めに察して、切り替えないといけません。(それが出来るかどうかも面接では見られています)
質問のレベル感を上げていく形が王道
質問意図を満たす為に、レベル感を上げていく質疑応答が出来るかどうかは重要です。これは面接官自身も襟を正さなければいけない事なので、自戒を込めて書きます。
レベルアップしない質疑応答例
Q.趣味は何ですか?
A.ライブやコンサートに行くことです
Q.好きな食べ物はありますか?
A.ラーメンが好きですね、最近まぜそばも食べるようになりました
Q.周りからどんな人物だと言われますか?
A.面白いと言われます
Q.長所は何ですか?
A.なんでも好奇心旺盛になれるところです!
Q.尊敬する人物は誰ですか?
A.野口英世です
Q.学生時代に主にどんな事に取り組んだのでしょうか?
A.サークル活動に力を入れていました
Q.ここに来るまで何分くらいかかりましたか?
A.(え、ちょっと待って。この人何が知りたいんだ・・・?)
これではただ無作為に質問を応募者にぶつけているだけになっているのがわかりますね。
内容も、浅い問いかけに浅い答えが返ってくるだけです。
レベルアップする質疑応答
Q.長所は何ですか?
A.なんでも好奇心旺盛になれるところです!
Q.具体的なエピソードはありますか?
A.小さい頃ゲーム好きだったんですが、裏技というかプログラムのバグに遭遇した時に、面白いなって思ったんです。
Q.特にどういった部分で面白く感じましたか?
プレイヤーにしか普通は見えない世界の裏側で、何かが動いているのか見え隠れしているところに興味を引かれました。例えば特定の人に話しかけたら別の人のセリフが変わったり、閉じてたはずのドアが開いたり。こういうのって、どんな仕掛けかなと思って夜な夜なプログラムを調べたりしてました。
ゲーム以外だとパソコンで何か不具合が起きた時も「ここがダメになってるから動かないんだな」って何となくわかるようになって、よく友達の相談に乗ったりPCを修理しています。
Q.その強みをお仕事ではどう活かせそうでしょうか?
A.自分で調べて解決する力が他の人よりも強いと思うので、先輩社員の方々のお手を煩わせる事なく仕事を覚えていきたいです。お時間を頂戴する事になるなら、初歩的な事ではなく角度の高い内容で質問が出せるようでありたいです。
御社の商品も、いざ作り手になってみたらどこがどんな風に動いているのか色々見えてくると思うので、それを参考にして売り文句を考えたり・・・これは漠然としてるんですが将来的には何か商品を提案出来ればと考えております。
強みを聞かれて、質問意図(どんな風にその企業で活躍するのか)までトントン拍子に進んでいることがよく分かると思います。
そして答えすぎてしまうと、前述したように相手(聞き手)の許容量を越えてしまうほどの話のボリュームになってしまいます。そういう人は「後からの軌道修正が大変そうだなあ・・・」「自分が言いたいことを言ってるだけなんだなあ」と見られてしまうので、やはりネガティブな印象を与えてしまうでしょう。
見た目や身嗜み、表情を大切に
メラビアンの法則について少しご紹介します。人が受け取る情報は、言語情報よりも資格情報が圧倒的に多いのです。話しすぎてしまう人ほど、情報量がとんでもなく大きいのは言うまでもありません。
普段の身だしなみや表情に抑揚をつけたり、話す時に頷きや相槌、合いの手を入れることも大切です。
上記では応募者は「何にでも好奇心を持てること」を強みとしていました。それを笑顔だったり、相応の声量で熱意を持って話せたら良いのですが、逆に小声で無表情だったら面接官は「本当にそうなのかな」と思ってしまいます。圧倒的に損です。
まとめ
色々と書きましたが、本日記事を読んでくださった方が上手く不安や功名心をコントロールしつつ熱意を面接の場で伝えることが出来るようになれば幸いです。
熱意は、自己分析や業界分析を能動的に行って最善を尽くそうとする意思が作ります。その熱を「こぼさず」に面接官に届けてください。
そのお届け先が弊社であれば、これほど嬉しいことはありません。