最近、求人を出してからというものエントリーの数がかなり増えてきました。学生さんや、若い方からの応募もよく来るようになったのでここで1つ、学生さん向けに人事担当者という立場から皆様へお伝えしたいことが出てきましたので、前回の中途採用向け:共栄美装の人事担当者が伝えたい2つのコトについてお話をさせていただきますね。
さっそくですが質問です。
学生と社会人の大きな違いって何だと思いますか?
いろんな大学のキャリアセンターやグループディスカッションの課題になる事だと思います。これ、決まった答えはあるようでいて無いくらい深いテーマなのですが、その多くが
「学生は消費者(お客さん)、社会人は供給者」
といったものではないでしょうか。そして多くの学生さんは社会人として活躍するために何らかの勉強をしたり資格を所得したりします。
これは私の考えの一つですが、消費者と供給者の差はこうなっています。
消費者はお金や時間を使って価値を享受する人。
供給者はお金や時間を受け取って価値を生産したり提供する人。
つまりお金や時間と価値がトレードされているのが人間社会の真理だと言えるでしょう。上記を踏まえた上でお伝えしたいことが、本記事の本題となります。
その1.”貯え”はずっと前から始まっている
「資格なんてなんの意味もない、学校なんか通ったって社会じゃほとんど何の役にも立たない」
こんな風に言う人がいます。ですが、ではなぜ勉学は存在するんでしょうか?
学びを得るための参考書や情報商材、教育機関やスクールなどは何故あって、人々からお金を受け取れているのでしょうか?
・・・答えは、不安を解消したいから。不安って色々あると思います。
「自分がもし資格を何も持っていないと、社会から必要とされなくなるのではないか?」
「もしも、良い学校を出ていなかったら良い会社に入れないのではないか?」
「良い会社に入れなかったら将来、稼ぎが少なくて買いたいものも変えないし結婚もできない、車も変えない、家も変えない、老後も働かなきゃいけないんじゃないか?」
「そもそも働き口など見つからず精神崩壊するか、ホームレスとして路上生活することになるんじゃないか?」
今書きだしてみただけで、これだけあります。・・・全部、避けたい未来ですよね。
でも選択肢が1つ増えると、その不安もわずかに消えます。
私はデザイナーとしての道を選びました。一方で、営業職やラーメン屋という道は閉ざしました。
人間、マルチタスクがいくら出来ても1人しかいません。だから選択肢が仮に100個あったとしても、ほんのひと握りしか選べないんです。
勉強していなかったら「やりたくない事」に遭遇する確率も上がります。だから皆勉強しているんです。
就職活動が始まる前から
・・・ドキッとしましたか?でも、事実なんです。”貯え”はずっと前から始まってます。今もしエントリーシートや自己PR文を考えていて、何も出てこずに白紙のままペンを止めているんだとしたらピンチだと思ってください。
何もやってこなかったのであれば、面接の場を口八丁手八丁でうまくやり過ごすのではなく、事実を受け入れて、自分と向き合って、なりたい自分を何度でも作って、軌道修正をして、自分探し・・・というか自分づくりを進めてください。
それでも社会というのは不思議なところで、もし勉強をしてこなかったとしても社会人としては成功してる人が意外といっぱい居ます。こんな風に書いてる私も、学生時代に資格を所得したり特に何か勉強をしてた訳ではありません。
貯えはずっと前から始まっていますが、ずっと先にも続くものでもあります。社会人になってからでも市場価値を高めるチャンスは沢山ありますから、諦めるなんてことはしないでください。
その2.無財の七施を心得よ
この2つ目、実は何を入れるか迷いました。マナーを入れるべきなのか、それとも当事者意識をもって仕事をしなさいと書くべきなのか・・・。色々迷った結果、この記事がたいていの人は若い人が読んでいる学生さん向けのものだったので、今回は「無財の七施」という仏教の考えからくる言葉です。
人が誰かに与えられるものには限りがあります。特に、社会人としてレベル1の若い方に出来ることって、ベテランやスタープレイヤーと比べると圧倒的に少ないはずです。
でも、物もお金もなくても誰かに価値を提供することは出来ます。それが無財の七施です。
和顔施 | 笑顔や穏やかな表情。笑う門には福来るという言葉にもあるように、幸せを呼びます。 |
眼施 | 優しいまなざしを向けて人と接すること。時に目は口ほどに物を言うものです。決して上から目線にはならず、まっすぐに相手を見つめることが大切です。 |
心施 | 思いやりと気配り、人の気持ちを理解し受け入れること。自分が相手だったらこう思うのではないか?と考えながら行動出来る人は、愛されるし評価されます。 |
言辞施 | 乱暴で下品な言葉を使うのではなく、品のある言葉を使うこと。「ありがとう」「ごめんなさい」がちゃんと言えない人が駄目だと言われるのはこの心得がなっていないからだと言われます。 |
身施 | 困っている人を助けること。立ち振舞いや所作にも気をつけましょう。自分さえよければそれで良いわけではありません。弊社も共存共栄という理念がありますが、会社って人と人が集まって大きな目的を達成するための組織なんです。 |
房舎施 | お客様が居れば客を厚く饗したり、頑張っているのに居場所がなくつらい目にあっている人がいたら労をねぎらったり場所を提供する心です。 |
床座施 | 席などを譲ること。席とは、つい取り合いになってしまうものですが体の不自由な人や妊婦の方、お年寄りに電車などで席を譲れる余裕を持つことが大切です。 |
無財の七施は、どれも売上が上がったり出世街道を突き進むための特効薬ではありません。ですが1つ1つがとても大切なことであり、私は社会人の基本道徳になっていいんじゃないかと考えています。
心掛けていることで物事が好転していくものです。足元を見られず、この人には大事な仕事を任せていい。そんな風に思ってもらえるって大切ですよ。
逆に足元を見られたり、何か失態をしてしまったあとも謝ったりせずに放置して余計に相手を怒らせたり信用を失ったり、それで自分の居場所を失ってしまった人、私の周りには沢山います。しかも、人間は謙虚さをあっという間に失ってしまいますから、そうなった頃には上記の考えを共有したところで響かないのです。
この記事を読んで下さった方がそうならない事を祈りつつ、本日は筆をそろそろ置かせていただきます。
寒くなってきたので風邪など引かないようお気をつけください!