早速ですが、チャレンジ(挑戦)って好きですか?
好きな人が居れば嫌いだという人も居るでしょう。
無理だと思うことでも腹を決めて挑戦すれば、大きな変化を起こせるかもしれません。そう出来たときの喜びは、大きなチャレンジであればあるほど大きいでしょう。
逆に、未知の分野に挑む訳ですから一寸先は闇です。人間はそういうものを本能的に拒むものです。
では、トライ(試行)はどうでしょう?
こちらは、チャレンジほど仰々しいものではなく「試しにやってみる」という側面が強い言葉です。
チャレンジとトライは未知の領域に踏み込む、成功と失敗があるという共通点があれば意味や使い方が異なる言葉でもあります。
どちらが正しいというの話ではなく、読んでくださった皆様と一緒に考えを深められるようなお話を発信したいと思います。
チャレンジ(挑戦)について
チャレンジとは、そうやすやすと達成できない目標や課題、または競争を行う相手に対して行う言葉です。成し遂げるためには大きな努力や高い集中力が要求されるでしょう。前述したように大きなエネルギーが必要となります。
逃すと次はない貴重なたった一度しかないチャンスなのかもしれません。
トライ(試行)について
トライは、今持っている引き出しのうち、ある決まった手段を適用して経過観察をするという側面の強い言葉です。その結果如何で、次の行動を決める・・・という話もしやすいです。
私はシステム開発をする時は必ず「トライ・アンド・エラー(試行錯誤)」を行います。上手く行くかどうかを打診して、上手く行けば実装。上手く行かなければエラーが起こる訳ですからシステムを1つ前の状態に戻します。それから問題点を調べ、書き直したコードで別のトライを行います。こうして不確定要素を1つずつ潰して開発しています。そうしないと非可逆的な更新をしてしまい取り返しのつかない事になってしまいかねません。
両者の違いを知った上で、どう自分に役立てていくか?
性質上、両者はかかるエネルギーの大きさが異なります。
これを見誤らない為の物差しにするのも良いですし、自分を奮い立たせたり、或いは具体に逃げてばかり居る自分を抽象に向き合わせるのはいかがでしょうか。
目の前の課題の大きさを見誤らない為の物差しにする
その課題は・・・
今自分が持っている武器でクリアできるものでしょうか。
それとも、いくつか新しいことを身に着けないとクリアできないでしょうか。
はたまた、どうやったらクリアできるのか皆目検討もつかないものでしょうか。難易度はそれぞれ異なりますが、今求められていることはチャレンジなのかトライなのか、自分に対する見積もりを見誤らなければ解決の緒は見えてくるはずです。
自分を奮い立たせる
自分はなぜその課題に挑むのか?挑むことを求められているのか?
これまでの生い立ちや、なりたい自分像、自分が大切にしているポリシーと絡めて考えてみましょう。
社会に居れば、やむを得ない事情で、負けるとわかってる試合だってやらなきゃいけない事だってあります。そんな時こそ自分を奮い立たせて、パッションをもって取り組みましょう。いつかそれが財産になります。
具体に逃げてばかりの自分を抽象に向き合わせて矯正する
学生の時分、私はよくテスト前に夜遅くまで根を詰めて頑張っている・・・と周りから言われていました。しかし一番頑張ったのは実は「テスト前日になぜかやりたくなるお部屋の掃除」だったりします。
「机が片付いてなきゃ勉強に集中できない」だとか
「本棚に並んだ本の高さが揃っていないと気になって集中できない」だとか
「机の上にある消しカスや抜けた髪の毛をキレイに掃除しなきゃ集中できない」
といった風に、今スグやらなくてもどうとでもなることを、目の前の課題を放置したまま一生懸命に進めていたのを覚えています。
ゲームをしたり遊びに出かけてるわけではありません。
でも、だからといって勉強に向き合ってるわけでもありません(笑)。
まあマジメといえばマジメなんでしょうね。ただしマジメに「具体に逃げて」いたのです。
具体とは、実体がスグにわかりやすいという事です。
ゴミを拾ってゴミ箱に入れれば、片付いたという成果が得られます。
掃除機を部屋中にかければ、部屋に掃除機をかけたという成果が得られます。
一方で「勉強」は、やや抽象的なものです。
教科書の字を目で追って理解すればテストで何点取れるのかはすぐには解りません。
人の記憶力や計算能力は完璧なものではありませんし、ヤマが外れることだってあります。
何分勉強したら、何点加算されるのか解るものでもありません。
試験対策は、やればやるほど点数が高まるものではありますが、明確に数字で示されていることではないのです。
で、ここからが大事なのですが・・・
あれ?もしかして、テスト前の日の大掃除みたいなことばっかりしてる・・・?
と、自分で気づく力が社会人には必要なんです。そして「・・・うーわ、やりたくないんだけどなぁ」と言いながらも、向き合わねばならない課題じ自分を向き合わせたあと、目の前の抽象を具体に分解するという作業が始まります。
抽象を具体に分解するプロセス例
抽象とは、大きな固まり(チャンク)です。
具体とは、その固まりを構成するパーツ達です。
抽象的なことを具体的に置き換えることをチャンクダウンといい、具体的なことを抽象的なものに置き換えることをチャンクアップといいます。
ちょっと勉強で例えてみましょう。
教科書の文体を追って内容を理解する
↓
教科書の文体のうち大事な部分を見つけて赤くマーカーを引く
↓
大事な部分を伏せても、そこに何が書いてあるのかが分かるようになるまで反復練習をする
こんな感じです。手法はいくらでもあります。教科書を読んで、閉じて頭の中で自分にクイズを出してみる・・・でも構いませんし過去問を何度も解いて、◯点以上になれば寝てもOKというルールで勉強をしてもいいでしょう。
最後に
本日は、チャレンジとトライの差と、その差をわかった上でどう目の前の課題と向き合っていくのか幾つか実例も交えてご紹介しました。
今までチャレンジに見えていたことは、実はトライ・アンド・エラーの連続で解決するのかもしれません。逆に消化しやすいトライ・アンド・エラーばかりをしていて肝心な課題や優先度の高いタスクを放置してしまっていないか考えることも大事でしょう。
今回の記事を書こうと思った切っ掛け
AとBの違いについてお話をすると、考えが深められることがとても多いなと思いました。
「信用と信頼」は何が違うのか?
「楽しいと面白い」は何が違うのか?
「やりがいと醍醐味」は何が違うのか?
言葉遊びのようでもありますが、改めて自分はこんなスタンスで居ようと思っていただければ幸いです。